タマゴの自販機というビジネスに一肌脱ごう。
スーパーなどで販売されている卵。実は産み落とされてから2週間ほど経過しているってご存知ですか?本当に新鮮な卵は黄身が立つのです!そんな新鮮卵を食べて欲しい養鶏所さん。しかし、販売するには人手が足りない。そこで弊社が開発したのが『たまご市場』。繊細な卵を管理しつつ無人で販売する自動販売機。在庫管理は遠隔で可能という優れもの。地方の養鶏所で採用されています。
実はこのたまご市場、元は半導体ウエハーを在庫管理するストッカーの技術を流用。社内公募から生まれたアイデア製品です。しかし、誰が半導体と卵を結びつけたのか…
機械にデザインを取り入れてメリットはあるのか?
2010年、工業用機械にもかかわらずグッドデザイン賞を受賞し、業界紙で過去にないほど注目されたのが『ゴム射出成形機VR-Z』。操作する現場の人の使いやすさ、安全性、そして無機質な工場内にも洗練されたデザインを提供するために開発しました。しかしデザインを実現するためにかかる追加コストは数百万。提案した設計者も内心ビクビクしながら製品を完成させました。コンセプトカラーはなんと桜色。通常、納品先に合わせたカラーに塗装するのが一般的ですが、「桜色のマシンが欲しい」とそのまま購入してくれるお客様も。コスト高などのハードルから、シリーズ化には至りませんでしたが、その高い性能やコンセプトは現行のシリーズにも引き継がれています。
震度7で傾きつつ、稼働し続けた電源。
元々、大手メーカーから委託を受けて生産していた非常用電源装置。非常時に必要な機能は何か。弊社で長年培ってきた防音・消音や耐震の技術を融合して自社製品を開発しました。実力が発揮されたのが3.11の震災時。震災後に現地に駆けつけたところ、「地震の影響で地面が斜めになっていても三友工業の発電機は通常通り稼働しています」と、報告を受けました。想定外と言われた大震災を乗り越えた非常用電源は、評判を呼び、携帯電話の基地局やコンビニなど、人々の命や生活を支える非常用電源として全国で導入が進んでいます。
当時のハイテクカラオケマシン 時期尚早であえなく撤退
カラオケボックスで、タブレット端末から曲を選曲すれば当たり前のように歌詞や動画を見ながらカラオケを楽しめる現代。三友工業はその黎明期に最先端を走っていました。カセットテープってご存じですか?そのカセットテープより前の技術、ハチトラと言われる磁気テープに音楽を記録していた時代、そのハチトラを採用したカラオケ機器を開発しました。お店に置いてある歌詞カードを見ながら歌っていた時代に、歌詞も自動で表示される機能まで搭載していました。しかし、当時はまだまだカラオケが一般的には広まっておらず、あまり普及はしませんでした。主流の記録媒体がカセットテープに移ったこともあり撤退。カラオケ事業は失敗?いえいえ。時期が早すぎただけ。培った技術は三友工業に継承されています。
板前の包丁技術を越えた、魚の切り身マシン
スーパーでパック詰めされたシャケの切り身。頭の部分でも尻尾の部分でもほぼ同じ大きさにカットされていることをご存知ですか?まさに職人技の包丁さばきのなせる技ですが、実は機械がさばいているってご存じでした?それこそが三友工業で開発された切り身マシン『イタサン』なのです。職人技を超えるために、画像処理技術、魚の形状などの研究を進め、1時間に2,000切れカットできる切り身マシン『イタサン』が生まれました。我が社でまさか魚を扱うなんて思ってもいなかった!
空気を通して音を遮断?手品のような技術に知恵を!
航空機ジェットエンジンの地上テストにおける騒音を封じ込めるために磨いた防音技術。「音」の性質を研究し尽くし、発電プラントの排気口から発生する騒音対策など幅広い需要に対応するようになりました。そんな中、工場内の騒音を外部に漏らさないために閉め切った環境でモノづくりに取り組む町工場向けに、少しでも快適な職場を提供したいと開発されたのが、『通りゃんせ』。高額な空調設備は整備できないと、窓の代わりに『通りゃんせ』を発売したものの、ニッチ過ぎてあまり売れず・・・これも失敗ではないのです。きっと早すぎただけ。